窓一つない、コンクリートの空間に掠れるような少女の声が響く。もっとも、その声は響くという程大きくはなく、むしろ弱々しかった。
「あぶ…、のぉ…、まる…。あぶ…、のぉ…、まる…」
声の主は床から突き出た鉄製の男根を自分の性器に埋めていった。
利佳は相変わらず、この部屋に監禁され、辱めを受けていた。
護謨のレオタードを着せられ、バレエのレッスンの最中だった。いや、バレエとは名ばかりの耐え難き陵辱だった。バレエのレッスン用のバーに手と首を鎖で繋がれ、床に取り付けられた鉄製の太いディルドゥを跨ぐ様に立たされ、足首はディルドゥに繋がれていた。
その状態でバレエのプリエをさせられていた。ラバーのレオタードとタイツには股間の部分にスリットが入っており、利佳が腰を落とす毎にディルドゥはヴァキナに埋まっていった。ディルドゥには途中でクッションが付けられており、事故で深く刺さって内臓まで突き破る心配はなかったが、それでもかなり深く入っており、子宮の一番奥まで突き上げられていた。
傍らには全身を黒いラバーで身を包んだ一人の男。鞭を手に立ちはだかっていた。
「さあ、アブ、ノォ、マル。アブ、ノォ、マル」
男の手の鞭はバーを軽く叩き、リズミカルな音を発していた。それに合わせて利佳はディルドゥをヴァキナに出し入れしていた。
「はぁ、はぁ、あぶ…、のぉ…、まる…。あぶ…、のぉ…、まる…」
「もっと調子を合わせて、アブ、ノォ、マル! アブ、ノォ、マル!」
リズムは段々と早くなり、それと同時に乳首に着けられたベルのピアスが音を立てながら揺れた。ディルドゥも深々とヴァキナに埋まっていった。
「ああっ!! ああっ!! 」
「喘ぐな!! 掛け声を続けろ!! 」
鞭が空を切りバーを叩き、大きな音を立てた。利佳は一瞬驚き怯えたが素直に従った。
「はいっ! アブ、ノォ、マル! アブ、ノォ、マル!」
利佳は恥辱のプリエを一心不乱に続けた。床から突き出た鉄製の男根に繋がれた脚の膝が折れる度に、細く小柄な少女の腰が鉄の男根に貫かれた。爪先を完全に真横に向けて拘束されていた為、自然と膝は外向きとなり、腿は180°開き、当然恥部に鉄の男根が食い込むのをさらけ出していた。
羞恥と苦痛で、ここに監禁されて以来全く日光を浴びてない為蒼白くなった利佳の顔が、見る見るうちに紅潮していった。そして歪んだ目元と口元から夥しい涙と涎が流れた。流れていたのは涙と涎だけではなかった。利佳のヴァキナから溢れ出す淫汁に濡れたディルドゥは、滑らかに彼女の性器の奥深くを刺激した。
「アブッ!! ノォッ!! マルッ!! アブッ!! ノォッ!! マルッ!! アブッ!! ノォッ!! マルッ!! アブッ!! ノォッ!! マルッ!! 」
意識が朦朧とする利佳の脳裏に、過去の事が甦った。それはこの恥辱のレッスンを始めた頃の事だった。
正確な時間の感覚が失われていたため、睡眠や食事の回数でしか判らなかったが、過去五回前の睡眠の頃から、このレッスンは始められた。
当初は恐怖と恥辱で、とても鉄の男根を入れるなんて事は出来なかったが、拒否は何の意味をなさなかった。男達によって無理矢理やらされたからだった。
丁度、今と同じ状態に拘束され、この卑猥なプリエを強いられたが、とても出来なかった。
「お願いっ!! 許してっ!! 」
男は利佳の哀願を無視して、彼女の腰を掴んで、そのまま腰を落とさせた。
「いやっ!! いやっ!! 助けてっ!! 助けてっ!! 」
ディルドゥにはワセリンが前もって塗られており、ラバーや性器との摩擦を起こすことなく、それは利佳の体内に滑らかに滑り込んだ。だが、ディルドゥは発育途上の少女の性器には太すぎた為、ここ最近同じ様な物をねじ込まれてて慣れかけていたとは言え、性器が張り裂けそうな痛みが利佳を襲った。
「いやぁぁぁぁぁっ!! 痛いよぉぉぉっ!! 助けてぇぇぇっ!! 」
苦痛と異物感、羞恥と屈辱感で利佳の顔が歪み、涙が溢れ出した。しかし、男は泣き叫ぶ利佳を省みる事無く、掴んだ腰を上下に動かし続けた。
「さあ、利佳。奴隷のレッスンだ。アブ、ノォ、マル。アブ、ノォ、マル」
鉄の男根に貫かれた利佳の躰は、男の手により、リズミカルな上下運動を繰り返した。鎖でバーに繋がれていない方の手は男の手を引き離そうとしたが、到底離せるものではなかった。
「もっとリズミカルに、アブ、ノォ、マル! アブ、ノォ、マル!」
「いやぁっ!! いやぁっ!! ああぁっ!! ああぁっ!! 」
つい先程まで行われていたバイヴ責めと同じ感覚が近づいてきた。
(こんな事する為のバレエじゃないのに……)
利佳がそう思った直後、彼女は絶頂を迎えた。
「ああああぁぁっ!! ああああああぁぁぁぁぁっ!! ああぁっ!! ああぁっ!! ああぁっ!! ああぁっ!! 」
あどけなさの残る愛らしい声を発する喉が、まるで張り裂けんばかりに絶叫を上げた。そして利佳は痙攣を起こし、やがてぐったりとして項垂れた。だが、男の手は休む事無く利佳の腰を上下に動かし続けた。やがて、利佳は再び泣きじゃくりながら頭を振り、激しい身悶えと悲鳴に近い喘ぎ声を発し始めた。
(あの頃はとても耐え難かったのに…)
今では自ら深々と、鉄の男根を恥部に突き刺している。確かにバイヴやディルドゥで責められ続けた利佳の性器は、道具に馴染んできていた。そして、恥辱と苦痛を通り越した快感を覚えつつあった。
「アブッ!! ノォッ!! マルッ!! アブッ!! ノォッ!! マルッ!! アブ…、あ、ああっ!! イくっ!! イきそうですっ!! 」
男の鞭によるリズムも段々テンポが上がっていき、それに伴い利佳の動きも早くなっていった。
「さあ、利佳っ!! イくんだっ!! イけっ!! 」
「ああぁっ!! ああぁっ!! ああぁっ!! イったぁっ!! イったぁっ!! イったぁっ!! 」
利佳は獣の様な悲鳴を上げ、性器から愛液を流しながら痙攣し、鉄の男根が挿入されたままディルドゥのクッションに座り込んだ。男は絶頂を迎えた利佳を抱き抱え、拘束を解いた。
「いいだろう。利佳。休憩だ」
床に直に胡座をかいて座りこみ、利佳を脚の上に座らせて抱き抱え、ペットボトルの水を少しずつ飲ませた。その間、男の手は利佳の躰を卑猥な手つきながらも優しく愛撫し続けた。水を与え終わると、緩んだ表情を浮かべ涙と汗と涎で濡れた顔を拭いた。利佳は表情ばかりでなく、全身から力が抜け、何もかも男にされるがままだった。枷を填められ抱きかかえられているとはいえ、鎖を外され、何も彼女を拘束してない状態ではあったが、全く逃げ出すどころか抵抗すらしなかった。
男の愛撫を受けながら、利佳は虚ろな目つきで厳重な鉄扉を見つめていた。
一度だけ、隙をついて逃げ出そうとした事があった。爪先立ちのピンヒールでなく、底の薄いバレエシューズを履かされていた時、鎖を外された一瞬、男達の手を振りほどいて扉目掛けて突進した。しかし、扉は施錠されており、外にいる者が解錠しなければ開かなかった。後は逃げ出そうとした事への罰が待っていた。彼らから壁伝いに逃れようとした利佳は、男達に部屋の隅に追いつめられ、怯えた目つきで彼らを見上げ、足下に縋り付いて許しを乞うた。
しかし、彼らは手にしていた長いゴム紐を伸ばし、利佳に向けて片手を離した。ゴム紐が利佳に当たり、思わず悲鳴を上げた。男達は半狂乱に泣き叫ぶ利佳に繰り返しゴム紐を当て続けた。
以来、利佳は逃げられない事を悟り、脱走しようとしなかった。男達も利佳に殴打の類を加えたのはこれが最初で最後だった。性的陵辱は日に日にエスカレートしていくのに反比例して、それ以外の事では優しくされていった。至れり尽くせりの世話を受け、恭しく扱われている位だった。
(これから私、どうなっちゃうんだろう…)
利佳はぼんやりと、そう考えながら、いつの間にか男の躰にもたれ掛かり、自分を愛撫する手に自分の手を添えた。
「さあ、そろそろ休憩も終わりにしようか」
男は利佳を立たせ、再び先程同様に拘束した。
「あぶ…、のぉ…、まる…。あぶ…、のぉ…、まる…」
鞭がバーを叩く音のリズムに合わせて、ディルドゥが利佳の体内に深々と潜り込む。
「もっと淫らに、アブ、ノォ、マル! アブ、ノォ、マル!」
「はいっ! アブ、ノォ、マル! アブ、ノォ、マル!」
利佳の動きはただの上下運動ではなく、鉄の男根を性器で貪るかの様な動きになっていった。
「利佳は変態、アブ、ノォ、マル! アブ、ノォ、マル! 利佳は淫乱、アブ、ノォ、マル! アブ、ノォ、マル!」
淫靡なレッスンは続いた。
(2013年8月)
© shiiya