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再び姿を現した時、利佳は黒尽くめの姿をしていた。
頭部と未成熟な乳房を除く全身を覆うラバースーツも、ウェストを蜂の胴の様に括り上げる合皮 製のコルセットも、太股半分位まである編み上げブーツのピンヒールも、首と四肢に填め込まれた 枷も、顔半分を覆い口と言葉を封じる猿轡も、髪を飾るビニールのリボンも、全てが黒一色だった。 辛うじて枷に打たれた錨と金具が鈍い銀色をしていた。ゴムとエナメルが、白い光沢を放っていた が、黒一色と言っても良かった。
それ以上に黒かったのは、利佳の心だった。まるで果てしない暗闇の如く、悲しい程、黯黒としていた。陵辱に継ぐ陵辱の末、淫らな快楽に毒され、殆ど被虐の洗脳は完了しかけていた。
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