♀月♂日 ヴァキナの日
私がここに拘束監禁されて、一ヶ月が経過しました。
私が閉じ込められている場所の左の壁にある、のぞき窓と手を入れる穴の蓋が開き、御主人様の手が入って来ました。
今日は着替えの日です。
まる一ヶ月間着たきりの状態で拘束されていた為、ラバースーツの下は汗でグチャグチャになっていると思われます。慣れたとは言え、様々な異臭に不快感がピークに達していました。
それから一時的ながらも解き放たれるかと思うと、安堵感を感じずにはいられませんでした。
「さあ、待ってろよ。着替えと清拭してやるからな」
普段は隠しスピーカーを通してしか聞けない人の声が、横から直に聞こえてきました。少しずつターンバックルが緩められ、鎖や枷、猿轡等が外されて行きました。
「あう…、あうう…」
私の口全体を塞いでいたボールと、喉の奥深くに挿入されていたチューブが抜かれました。まるまる一月ボールに口を塞がれ、顎を開きっぱなしにされていた為、すぐに口を閉じる事ができず、だらしなく口を開けて涎を垂れ流すだけでした。
乳首のピアス、コルセット、腕の拘束具が外され、まだゴムの服や股間の異物は残っているものの、四肢の拘束が解かれたのをチャンスに、このマジックミラーを突き破って逃げようと考えていました。破片で怪我をするかもしないし、旨く突き破れるか判らないけど、やらなかったら、ここから出られない、そう考えていたのです。
その考えを実行に移した瞬間。自由になった脚で鏡を蹴破ろうと伸ばしたその時、少し動かしただけで激痛が走りました。
「あぎゃっ!!」
「おいおい、馬鹿な真似するな。まるまる一月、全く身動き出来ない状態で固定されていたんだから、いきなり動けば痛むのは当然だろう」
ラバースーツを脱がせながら言い聞かせる言葉に、私は絶望感を覚えました。最早、拘束を解かれても自力で脱出する事すら出来なくなっていたからです。上半身が全裸にされた時も後ろ手に回されたまま拘束されていた腕を前に回そうとした時も痛みを感じ、肘が伸びず、僅かしか肩が動きませんでした。
「またいきなり動こうとして、躰を痛めちゃかなわんからな」
そう言いながら御主人様は、私の手首を後ろ手で軽くゴム紐で縛り、最後にゴムのパンティを脱がしにかかりました。私の体内に埋まっていたチューブや突起物が抜かれていったのですが、肛門に填め込まれていた解放プラグを引き抜かれる時に激しい痛みを感じました。
「ぎゃぁっ!!」
思わず私は悲鳴を上げ、堰を切ったかの様に号泣しました。
解放プラグを引き抜かれた時の痛みからだけではなく、言いしれぬ絶望感に苛まれたからでした。
もうここから脱出する事は出来ない。助けもこない。この人の性奴になり、この人が定めた時間をここで全うするしかここから出る手立てがない。
そう思い知らされたからでした。
「あええっ!! あやああいえぇっ!!」
(やめてっ!! さわらないでぇっ!!)
全裸で清拭をされている最中、私は泣き叫び続けました。清拭されて躰の汚れが落とされる爽快感を差し引いても、御主人様の卑猥な手付きに羞恥と屈辱感を覚えたからでした。清拭剤を浸けたタオルはみるみるうちに、私の垢で真っ黒になっていきました。
「さて、次は口の中だ」
久々に味覚を感じたのは歯磨き粉と洗口液の味でした。歯を磨かれ、口の中洗浄されている間、私の口元はだらしなく開いたままだったので、歯磨き粉の泡も洗口液も垂れ流しでした。ダラダラ流れる洗口液を拭き取り、最後に顔と髪の洗浄でした。
そして、清拭が終わり、再びゴムに身を包まれる時が来ました。シッカロールが全身に打たれ、ラバーのパンティを履かされ、ニヶ所の恥部に二本の突起が再び押し込まれていきました。私は痛みと羞恥に苛まれ、泣きじゃくりました。
「いあぁぁぁっ!! いあぁぁっ!! あええぇっ!! あうええぇぇっ!! うういえぇぇっ!!」
(いやぁぁぁっ!! いやぁぁっ!! やめてぇっ!! 助けてぇぇっ!! 許してぇぇっ!!)
だらしなく緩んだ口元で言葉にならない言葉を発しながら許しを乞い、助けを求めましたが、それで許して貰える筈も無く、この一月私を苛んだラバースーツや拘束具が再び装着されていきました。そして、口元にボールギャグの玉が当てられました。
「おえあい…、あうええっ…、あんぐっ!! むぐぐっ!!」
(お願い…、助けてっ…)
再び口の中にボールが押し込まれ、厳重な猿轡の装着が完了すると、言葉にならない言葉すら出せなくなり、濁った呻き声を上げるのみでした。そして、再びチューブが口に挿入され、喉の痛みと嘔吐感が私を襲いました。
「むぐぐっ!!」
思わず苦痛と不快感に濁った悲鳴を上げ、頭を振りながら御主人様を横目で見つめ、目で、許される筈の無い許しを乞いました。しかし、御主人様の手は休む事はありませんでした。
一旦拘束を解かれ、清拭から再度拘束されていくまでの間、私は動かせる範囲内で体を揺さぶり、御主人様への抵抗と、この拘束から逃れようとしました。しかし、それも口と股間のチューブ接続が完了し、枷に鎖が繋がれ、鎖の張りが調整されていくと、それすら出来なくなっていきました。
「一ヶ月経ったら、また着替えと清拭してやるからな。それまで良い子にしてるんだぞ」
そう言い残して御主人様は、救いを訴える私の涙目に目もくれずに壁の蓋を閉じてしまいました。
(ああっ!! 私、一ヶ月間もここでひとりぼっちにされるの!?)
蓋を閉じられ、完全拘束されたまま置き去りにされた、次の瞬間、耐えがたい孤独感と絶望感が私を襲いました。
どんなに私を辱め、辛い目に合わせている張本人であっても、この空間が一時的に開けられ、他人の声が直に聞けて、人の手の感触を感じる事が出来た。その安堵感が私の気持ちを和らげていたのでした。それに気づいたのは、再び拘束されてからでした。
(ここの外で、ベットの上で御主人様に犯されてもいいから、ここから出して!! 貴方の淫らな護謨マゾ奴隷になりますから、変態ラバー雌豚になりますから、ここから出して!!)
私は心の中で、そう叫び、御主人様にお願いしました。例えそれが御主人様に伝わるものではないとわかっていても、そう願わずにはいられなかったのでした。同じ性の奴隷にされるのなら、ここの外で辱められ続けた方がいい、結局は、この家の中で監禁され続けるのなら、この中でひとりぼっちで拘束監禁されるよりマシだと思ったからでした。
しかし、この後の御主人様の仕打ちは、そんな私の願いを踏みにじるものでした。
〈さてと、清拭と着替えに時間を取られて、朝と昼のバイヴができなかったからな…。フフフ…〉
(えっ…!? どういう事…!?)
御主人様の、その一言に戦慄を覚え、それがすぐに現実のものになりました。
〈いつもなら午前、午後、夕方、夜間と3時間ずつ3時間おきに12時間バイヴを愉しめたところだが、すっかり午後になってしまったからな。いつもより2時間少ないが、その代わりノンストップで10時間だ…。フフフ…〉
(!!!!!!!!!!)
耳を疑いました。
浣腸責めの日に二回分6時間続けられる事はありましたが、これ程の長時間のバイヴ責めは初めてでした。
〈待ってろよ、今すぐリモコンのタイマーをセットしてやる〉
(い、いやっ!! いやぁぁっ!! やめてっ!! やめてっ!! やめてやめてっ!! それだけはやめて!! お願いっ!! やめてやめてやめてぇぇぇっ!! 助けてっ!! 助けてぇぇぇぇぇぇぇっ!!)
鏡の外、御主人様はリモコンを私の目の前で操作していました。
〈それじゃ…、スイッチ、オン!!〉
(いやぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!)
私の性器と直腸内で激しい振動が起こり始めました。この先、この振動が10時間止まる事はない、そして、今後、着替えと清拭の度に10時間のバイヴ責めが行われる事を意識せずにはいられませんでした。
私が拘束監禁されているこの空間の中、バイヴの振動音と鎖や金具が軋む音、そして私の絶え間ない悲鳴にも似た呻き声が響いてます。
まだバイヴは止まらず、私を苛み続けています。
「ムグゥッ!! ングゥゥーーーーッ!! ウクウグッ!! ンググゥゥゥゥゥッ!!」
(止めてぇっ!! 止めてぇぇっ!! バイヴ止めてぇぇぇぇぇ!! お願い止めてぇぇぇ!!)
僅かに動く躰を揺さぶって、この拘束と陵辱から逃れようしましたが、逃れられる筈もありませんでした。
(ああぁぁっ!! イくぅぅっ!! またイくぅぅぅぅっ!!)
何回迎えたか判らない、絶頂をまた迎えました。
今、内部の照明が点けられていて、マジックミラーに、バイヴによがり、悶え苦しむ私の惨めな姿が映っています。これは、この私の惨めな姿を御主人様が見ている事を意味しました。
やがて照明も消え、御主人様も就寝につかれた模様でしたが、まだバイヴは止まっていません。暗闇の中、まだまだ続くバイヴ責めに泣きながらよがり狂い、ここに拘束監禁されて以来、まだ底の見えない絶望の淵の更なる深みに落ちていくの感じずにはいられませんでした。
(本人記述不可能な為、丸木戸沙弩氏による代筆)
(2014年3月)