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その日、利佳は地下室のベットの上で、静かな時間を過ごしていた。いつもなら、主人や調教師らによる、責めを受けているか、恥ずかしいバレエのレッスンをやらされているか、どっちかだった。しかし、その日は、利佳の発表会の日だった。彼らはその準備に追われていて、利佳の相手をしてる暇など無かった。 利佳は一人、これから始まる発表会に対する、不安な気持ちに苛まれていた。
暫くしてから、主人らが利佳の前に姿を現した。利佳自身の支度の為であった。彼らは利佳をベットに 括りつけていた鎖を解き、彼女を起こすとビニールのネグリジェを脱がせ、シャワーを浴びせた。利佳の躰 は全くと言っていい程、日光を浴びてない為、まるで『モンテ・クリスト伯』の様に蒼白い肌をしていた。しかし、そんな病的な肌色とは不釣り合いな程、利佳の肌は滑らかで瑞々しく、ニキビはおろか、出来物一つ無かった。それ程までに彼らは、利佳の健康管理に気を使っていたのだった。男達の手で躰を洗われている間中、利佳は少し泣きそうな顔で、鏡に写った自分の躰を見つめていた。
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